私の母は1904年(明治37年)生まれでしたから、延岡高校100年史が発行された時には
すでに90歳代の後半になっていました。そのころ田舎に帰ると母がその重たい100年史の
なかに掲載されている同期の名簿を見ながら、「もう誰も生きちょらん、わたしだけになって
しもた」とつぶやいていました。けっして寂しそうでは無い表情が不思議でしたが、人はみな
こうして時を通り過ぎ、後に生きる者たちにすべてを引き継いで去っていくものなのでしょう。
我が家も姉、兄の多い家族ですが、父のつとめの関係で延岡を離れていたときに青春を過ご
した者をのぞき、ほとんどが延岡高等女学校や恒富高校などを卒業し、同窓の家族です。
いま私も、卒業後の多くの時間を東京で過ごしてこの時代に至っていますが、宮崎出身だと
いう人に巡り会うと「あ!」と思い、延岡だと聞くともうそれだけでたくさん話を聞きたくなっている
自分に気づきます。ましてや延岡高校の卒業生などと知ろうものなら、なんとしても仲間に加え
たいと思ってしまいます。私の感情が度を超えているのかもしれませんが、多かれ少なかれ
こうした郷土愛、母校愛は誰しもが持っているものではないでしょうか。
延岡高校同窓会、東京支部「延友会」はこの母校愛を絆にして、卒業後の豊かな人生経験を
ともに分かち合い、また、これから巣立ってくる後輩たちをも支援していく暖かな組織として
運営していきたいと思っています。
ちょっと人恋しくなったとき、少しばかり元気を失ったとき、恵まれた成功を他とも分かち合いたく
なったとき、ぜひ延友会に持ち込んでともに喜び慰められたりしてほしいと思います。
延友会はみなさんのものとしてこれからもしっかり続けて行きましょう。
平成23年(2011年)5月11日 東京延友会 会長 黒木重昭
工藤
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